前回読んだ「桶川ストーカー殺人事件」と同じ著者、清水潔の「殺人犯はそこにいる」を読みました。
日本テレビの報道特別番組『ACTION』や『バンキシャ!』で、記者の清水潔が「4件の誘拐殺人事件に加え、1996年に起きた太田市の女児連れ去り事件は連続事件なのではないか」とする観点から、2007年1月から報道を続けている。同番組では、足利事件の被疑者とされていた男性が1991年に逮捕されて身柄拘束中であるにもかかわらず、その5年後に類似事件である「太田市パチンコ店女児連れ去り事件」が発生したことから、「足利事件の解決」が不自然であるとし服役中の男性は冤罪の可能性があるとしてキャンペーン報道を展開。DNA型再鑑定の必要性を訴え続け、再鑑定が実施されたところ真犯人と男性のDNA型は一致せず釈放となった。2010年3月に再審により、男性の無罪が確定した。
突然犯人にされ14年も冤罪で服役していた菅家さん。
警察が勝手に考えたストーリーで一方的に犯人にされ、自白を強要させる。
これがもし自分に起きたらと思うとゾッとする。
足利事件の他に飯塚事件についても書かれており、こちらは冤罪の可能性があるのに死刑執行されてしまった。
最大の証拠がDNA鑑定での一致だったのに、当時のDNA鑑定の精度が悪かったり遺留品の管理がずさんだったりと警察のダメさが目立つ。
警察のストーリーに不利な証拠が出てくると隠蔽。
真犯人と思われる人物は野放し状態。
真犯人を逮捕してしてしまうと科学警察研究の鑑定が誤っていたのを認めてしまうからです。
しかもすでに死刑執行してしまった飯塚事件にも影響が出てしまうので、事件は闇に葬られてしまいました。
この本で清水氏は犯人に対してメッセージを残しています。
ルパンよお前に遺族のあの慟哭は届いたか。
お前がどこのどいつか、残念だが今はまだ書けない。
だが、お前の存在だけはここに書き残しておくから
いいか、逃げ切れるなどと思うなよ。
いつか状況が変わり真犯人を捕まえられるようになるのを願っています。